親知らずが斜め向きや横向きで一部だけ見えるような生え方だったり、
完全に埋まっている場合の抜歯手順。
「初めての抜歯で、どのような治療されるのか分からなくて怖い」
あるいは
「どれくらいの費用が掛かるのか」
と言う方の参考になれば幸いです。
抜歯中・後の痛みや腫れの起こり方、抜歯後から治療終了までの流れ、抜歯自体の費用一通り記載していきます。
言うまでもないが、真っ直ぐ生えている親知らずに比べると抜歯難易度も高く、抜歯後の負担も多少はあります。
この手の抜歯は大学病院や総合病院の口腔外科で抜歯してもらう方がオススメだろう。
でも掲示板などで見かける。「痛くて我慢できない、死にそうなくらい痛かった」
という例は多分稀だと思います。頑張って乗り越えてくださいね。
ココでは下顎の親知らずについて述べてます。
上顎の埋まった親知らずの場合はリンク先に記載。
抜歯前・抜歯当日
抜歯後
レントゲン、CTで親知らずと神経の位置を把握
下の親知らずの場合もレントゲン撮影はまず行うのですが、
その結果、歯根と神経が接しているように見える場合は、CT撮影も一緒に行います。
(レントゲンとCTの違いって?)
抜歯当日よりも、数日前に行うことが多いです。
σ(・・)は初診の時にCT撮影を行い、1か月後にそのまま抜歯の予約→抜歯しました。
なお保険適用3割負担で、レントゲンの費用は大体1,000円くらい、
CTの費用は3,000~4,000円くらいになります。
下の親知らず抜歯で、医師の方々が慎重になるのは、神経を傷つけないことらしい。
CT撮影を行えば、レントゲンでは歯根と神経が重なっているように見えても、3次元的に接していないことも多いです。
神経と接している場合はより慎重に抜歯するため、やや時間がかかるそうですね。
なお、非常に低い確率ではあるが、
神経を傷つけることによって、一時的に顎の部分が麻痺することがあるらしい。
その場合でも数か月すれば元通りに治るそうだ。
下の親知らずを抜歯する際は、
たとえ確率が極低であっても、医師は必ず神経の麻痺が残る可能性については説明します。それが義務なので。
でもって、誓約書のようなものを示されます。
こんなやつ。サインする必要があります。
ちょっとビビッてしまいそうですが、
確率的には1%よりもずっと低いくらいなので、自信持って臨みましょう。
抜歯・まずは麻酔を行う。
下の親知らずの場合は、伝達麻酔というものを行うことが多いです。
詳しくはリンク先にて。
「ナニソレ?」って思うでしょうが、簡単に言えば、神経を一時的に麻痺させる麻酔ですね。
神経ブロックとも言われるやつです。
下の親知らず付近は浸透麻酔が効きにくい箇所なので、伝達麻酔を行うケースが多いです。
麻酔液を注入する場所は歯の部分よりも大分奥です。
浸透麻酔にくらべて痛そうに想像されるかも知れないが…
そんな感じるような痛みは無かったよ。
軽ーく「今刺したかな?」って程度。大差なかった記憶です。
麻酔してから、約15分程度は待ちます。
これは麻酔液を十分に浸透させるためです。色々考え事でもしながら待っててください。
この親知らずが抜ければ、もう痛みともお別れできる!
ってwkwkする方が気分が楽ですね。
段々、麻酔した箇所の感覚が麻痺してきます。
伝達麻酔を行った場合は、麻酔した側の舌半分ほどまでシビレて来ますが、これは至って正常な効果です。
親知らず抜歯・歯茎切開
麻酔が十分に効いてきたら、抜歯に入ります。
たぶん術中は、顔面にクチの部分だけ穴の開いたタオルのようなものを被せられると思います。
色々器具とか見えてしまうと怖いでしょ!?
こんなやつ。
覆い隠れるので、抜歯中何されてるかは分かりにくい。
斜めや横向きに生えてる場合や、完全に埋まっている場合は、まず歯茎をメスで切開します。
麻酔が効いているので痛くはありません。器具が当たっている??くらいの感覚しかないです。
親知らずを分割しながら抜いていく
歯茎を切開すると、親知らずが露出してきます。
これで問題なく抜ける場合はそのまま抜歯していくのですが、
斜めや横向きに生えていたり、完全に埋まっている場合は、
歯の一部が骨に覆われており、そのままでは親知らずが出てこれないことが結構ある。
(特に後者の方が骨に覆われている面積が広い傾向にある)
この場合骨の一部をノミやドリルを使って除去します。
なお、骨の除去を行うと、抜歯数日後までは大抵腫れが起こります。
これは医師からも説明があり、人間としての正常な反応だそうです。
腫れは抜歯後から翌日にかけて大きくなり、3日~1週間くらいで段々治ってきます。
どちらを使うのはは詳しくは分かんないが、
下の親知らずの場合、覆っている骨は比較的薄めらしく、この場合はノミで簡単に除去できるそうだ。
ノミで砕けない場合はドリルで除去するのかもしれない。
ノミで叩くときは、コンコンと結構グロイ音と振動があるけど、痛みは特にないという妙な感覚ですね。
骨を除去して、親知らずを抜けるスペースが出来たら、
ここからは親知らずを抜いていきます。
親知らずが斜めや横を向いている場合、そのままでは手前の歯に引っ掛かって抜けないので、
基本的には歯をドリルで分割します。
簡単なパターンだと、まずは親知らずの頭の部分を分割して先に取り、続いて歯根の部分を抜く、という流れです。
ただ、実際は2分割では抜けないケースもあるので、更に細かく分割することもあります。
想像するだけで痛々しいですが、やはり痛みはありません。
ただ、ちょっと変な臭いがします。摩擦熱で焦げるような臭いかな?
なので鼻呼吸より口呼吸していた方が気分的には楽です。
ドリルで除去する場合は、同時に水しぶきが掛かるようになってます。
歯のスケーリングで超音波洗浄する時のような感覚かな?
これは、ドリルの回転による摩擦熱の発生を抑えるためのようですが、
コチラにしてみれば、水しぶきを掛けられてるだけに感じるため、
「ドリルで穴を開けられている」という恐怖を軽減しているようにも感じました。
抜歯終了:縫合
歯根まで抜ければ、抜歯自体は終わりです。
あとは、分割した時に出た歯の欠片などをキレイに除去し、抜いた部分を生理食塩水で洗浄します。
キレイになったら、最初に切開した歯茎を糸で縫い合わせ、穴を塞ぎます。
完全には塞がないらしい。少し開けておく方が、その後化膿などの異常があった時に対処しやすいからだ。
本当に裁縫と同じように縫うワケですが、これもやっぱり痛みはありません。糸で引っ張られる?って程度の感覚です。
縫合が終わったら、止血のために抜歯部分にガーゼを入れられ、強く噛むように言われます。
大体15分程度噛みっ放しかな?
この時は無事に抜歯が終わって、肩の荷が下りていると思います。
血が止まっていれば、これで手術は終了になります。お疲れ様でした!
腫れや痛みは出る?
よくネット掲示板の質問コーナーで多い質問ですが、
埋まっている親知らずで骨の除去を行った場合は、高確率で腫れます。
これは医師からも手術前に説明があると思います。
ただ、痛いかどうか聞かれると、腫れ自体が痛いということは無かったですね。
むくみっぽくなって、明らかに膨らんでいるのが手で触って分かりますが、ちょっと引きつるような感覚でしたね。
ちょっとだけ熱っぽくなります。
冷えピタくらいで冷却するのは良いみたいだが、氷のように極端に冷やすのは良くないそうだ。
ケースバイケースだと思うので、手術後に医師に相談してみよう。
痛みに関しては、抜歯当日の夜はズキズキとはしました。
が、我慢できない程ではなかった。
集中力は損なわれるかなぁーって程度の痛みはあった。
抜歯翌日くらいには段々痛みは引いてきたかな?
処方された薬は忘れず飲もう
抜歯後、猛烈な痛みに襲われた人に限って、
「薬を飲むの忘れた!」と言うのはよくある話。
特に抗生物質は、飲み続けて血液中の薬濃度を一定に保たないと効果が出にくく、
抜歯部分に膿が出来てしまうとかなり痛いです。(たぶん)
「飲む時間管理で痛みゼロ?親知らず抜歯後の痛み止めの飲み方」にて少し詳しく書いてます。
あと抜歯後は麻酔が切れてくると痛みが出だすので、帰宅したら速攻飲むくらいでもちょうど良いと思います。
おおよそ伝達麻酔が切れてくるのは個人差もあるが3~5時間後くらいだと思います。それまでに飲んでおこう。
また、抜歯後は医師から、「抜歯後の注意事項」のような紙を渡されます。
こんな感じのやつ。
ええ、しっかり守りましょう。
ちょっと慎重過ぎるくらいが丁度よいです。
抜歯1~2日後:消毒
初診時に親知らず抜歯のスケジュールを話し合うと思いますが、
大抵抜歯日と、その翌日、約1週間後は空けておくように言われます。
抜歯翌日には、基本的に「消毒」という名目で医師へ見てもらう必要があります。
この日は消毒液を抜歯した部分に塗ってもらうのと、経過観察です。
血が止まっているかどうかとか、化膿してないかとかその辺をチェックします。
問題が無ければ、すぐに終わります。
1週間ほどは、流動食くらいしかマトモに食えず辛いと思いますが、頑張ってください。
痛みが酷くならなければ、基本的に問題はないです。1週間後の糸抜きまで辛抱しましょう。
もし抜歯後3~5日くらいで痛みが急に強くなってきた場合はドライソケットの可能性が高いです。
この場合は直ぐにでも診てもらいましょう。電話で予約しておけば、すぐに診てもらえると思います。
ドライソケットの詳細はリンク先に書きましたが、
簡単に言えば抜歯部分のカサブタが取れて、骨がむき出しになることで痛みが出ます。
基本的には投薬による治療で収まることは多いですが。
抜歯1週間~10日後:糸抜き
段々腫れや痛みは治まってきます。
おおよそ1週間経てば、縫合した部分の歯茎がしっかり引っ付き合うので、ここで糸抜きを行います。
糸抜きの際は麻酔は基本しないので、少し引っ張られる感があります。
が、糸を切るだけなのでちょっと我慢すればすぐに終わります。
糸抜き後、経過観察を行い、問題なければこれで治療終了です。
糸を抜くと、クチも割と自由に動かせるようになるので、食事も問題なく出来るようになります。
1週間の辛抱お疲れ様でした! 今夜は唐揚げでも食いましょう(* ̄ー ̄)ノ彡
費用の総額は?
真っ直ぐ生えている親知らず抜歯に比べると高くなります。
初診時
初診料、CT:4,000円
同じ病院で複数回抜歯する場合は、2回目以降は撮影する必要ない。
抜歯当日
手術:4,000円
薬処方:1,200円くらい
翌日消毒
再診料:400円くらい
うがい薬:300円くらい
1週間後の糸抜き
再診料:1,000円
という具合。
初回のCT込みだと総額11,000円くらい、2本目以降は7,000円くらいですな。