基本的に上顎の親知らずはまっすぐ生えてることが多く、抜歯は容易、
下顎は斜めや横向き、埋まっていることが多く、上顎より抜歯が難しいと言われる。
病院のサイトや、ネットの掲示板を見ても、上の親知らずに関しては大抵生えきっているものとして話が進んでいくんですよ。
が、実は上顎でも親知らずが埋まったケースがある。これがかなり難抜歯になったりします。
ええ、当サイトの管理人のことです。
確率的にはあまりないらしいですが、有り得る生え方なので紹介しておくよ。
上顎で埋まった親知らずが難抜歯と言われる理由
上顎の埋まっている親知らずはなかなか厄介です。下顎とはまた別のリスクが存在する。
神経の損傷とは無縁
これは下顎よりも良い点です。
下顎親知らずの場合、歯根付近が神経と接近しており、抜歯の際に神経を傷つけてしまうと、
暫くの期間は麻痺が残る可能性が少なからずあるんですが、
上顎にはそのような神経が通っていないので、これに関しての心配はないです。
上顎洞と貫通?!
深い位置に埋まっている場合、歯根が上顎洞(じょうがくどう)へ貫通していることが稀にあるらしい。
上顎洞は鼻に繋がっており、貫通してしまうと鼻呼吸する際に、クチから空気が逃げていくようになる。
と聞くと重傷に思えるが、ここまで深い親知らずを抜歯した場合は、縫合である程度塞ぐので大丈夫だそうです。
小さい貫通程度なら、自然に塞がっていくみたいだし。
下顎よりも生えている位置が奥
歯をかみ合わせて、舌を使って親知らずより一つ前の歯(第二大臼歯=7番)の位置関係を探ってみよう。
すると気づくと思うが、上の方が歯1本分くらい奥にあるんですよ。
何が言いたいかというと、手術時に器具が届きにくいということ。
また、位置的にも直視で見える下の親知らずと違って、上の埋伏親知らずは手前の歯の陰に隠れやすく、反射鏡を使わないとなかなか見えないそうだ。
更に歯を支えている骨が下に比べて上は分厚い。
下の親知らずの場合、歯を覆っている骨をノミ(?)でコンコンすることが多いが、これで邪魔になる骨の一部を切除することで抜きやすくできる。
(周囲の骨は分厚いが、歯を直接支える歯槽骨自体は下顎より柔らかい。真っ直ぐ生えている場合は抜歯が容易なのはこのため)
しかし上の場合は骨ががっちりしているため、ノミで叩いてもなかなか駆除できない。
つまりは、歯茎を切開した後、覆っている骨をあまり駆除できずに無理やり的に抜く形になる。
といった問題があるわけだ。
これより、歯を抜く器具(ヘーベル)が親知らずに引っ掻けにくい。
最悪の場合は手前の歯も抜かないといけない場合も稀にあるようだ。
しかし、抜かなくて良いケースが多い
不安にさせてしまってゴメンね。
でも実は、このような上顎で完全に埋まっている親知らずのケースは、
抜歯しなくてもよい。
と診断されることが多い。
親知らずは虫歯になったり、虫歯が進行していく可能性がなく、
また、腫れや炎症を繰り返さないとか、手前の歯に悪さしたり歯並びに悪影響を及ぼすことが無いのであれば、
無理に抜歯する必要はないということ。
上顎の完全に埋まっている親知らずの場合、↑のようなリスクは低いことが多いんです。
下顎の親知らずは、手前の歯へ圧力をかけることも多いみたいですが、上顎ではそれも少ない模様。
きっと歯の存在できるスペースが大きいからでしょう。
完全に埋まっていれば、虫歯になることはあり得ないみたいだしね。
逆に少しでも親知らずが顔出していたら、虫歯になりやすいため抜歯を勧められるでしょうけど、
顔を出している=簡単に抜けることが多いので↑のような心配はないと思います。
ぶっちゃけ言うと、σ(・・)も「抜かなくて良いと思う」って診断されたんだけどね。
それでも抜いてもらったが。
理由は体験談で、結構つらい1年間を過ごしたよ(笑)
抜くべきか、そのままにすべきか、ちょうど板挟みの状態がずっと続いたからね。
上顎親知らず抜歯の手順
抜歯しなくても良いという判断も多いらしいですが、
抜歯しなければいけない人も居ると思うので、一応抜歯の流れ書いておきます。
麻酔
抜歯する時は基本的に麻酔します。
下顎親知らず抜歯の時に用いる伝達麻酔は、上顎では行いません。浸透麻酔のみです。
理由:意味がないから。
下顎の方は太い神経が通っているので、そこに麻酔を打ちこんでブロックするものですからね。
麻酔後は十分に効き目が出るまで10~15分ほど待ちます。
抜歯開始:歯茎切開
麻酔が十分に効いてきたら、抜歯です。
埋まっている場合はまず歯茎を切開します。
麻酔が効いているため、痛みはやっぱりありません。器具を抑えつけられてるかなーと言った程度。
抜歯:ひたすらヘーベルとペンチで抜く。
先述の通り、上顎の周囲の骨は非常に分厚い。
下顎は薄いためノミで叩くと割と簡単に切除できるが、上顎ではそれが困難であり、
基本的にそのまま引っこ抜く流れになります。
下顎の時によく行う。ドリルでの歯の分割も、上顎では行わないそうだ。
これは視界が悪く、歯にドリルを当てにくいからだそうだ。
縫合
無事に抜歯できたら、縫合します。(深い位置の場合は縫合することが多いらしい)
裁縫の如く針を刺して糸を通していくのですが、麻酔が効いているため痛みはないです。
縫合できたら、ガーゼを強く噛んで止血します。
大体15~20分くらい噛み続けるように言われます。
止血できたら、抜歯は終了です。
抜歯後は痛み止めと抗生物質を処方されるので、飲み忘れのないようにしよう。
抜歯翌日:消毒と経過観察
この辺は他の抜歯パターンとそれほど変わりません。
抜歯翌日(or翌々日あたり)に通院する必要があります。
ここでは化膿しないために、抜歯部分に消毒液を塗布してもらい、抜歯後の状態を観察されます。
問題が無ければ5分程度で終わります。
ここでうがい薬が処方されると思います。
抜歯1週間後:糸抜きして終了
問題が無ければ1週間後に再度通院。縫合した場合はここで糸抜きを行います。
普通にハサミで切断するんで、その際引っ張られるような軽いズキズキ感があるが、一瞬で終わるので頑張りましょう。
糸を抜いて問題が無ければ治療は終わりになります。
抜歯の費用は?
難抜歯だったけど、費用は割と安かったです。
(ここだけ別の病院で抜歯してもらったので、多少違いはあると思うが…)
初日
初診料1000円(レントゲンはかかりつけの歯医者で撮ったものを紹介状に同封した)
抜歯当日
手術:3500円
薬処方:1500円
翌日消毒
再診料:400円
うがい薬:300円くらい
糸抜き
再診料:1,000円
総額7500円くらいでしたね。