下顎で(ほぼ完全に)埋まっている親知らずを抜歯する際はCT撮影を行うことがあります。
このCTですが、お値段3,000円前後と結構高い!
(保険適用3割負担の場合)
居酒屋一食相当くらいかな?
この金額に躊躇してしまう方も多いんですが、
CT撮影はレントゲンでは得ることの出来ない、大事な情報を得ることが出来ます。
本記事にて記載していきますが、抜歯の際に神経を傷つけ、麻痺が残る確率を大幅に下げてくれる。
CTをお願いするかどうかは最終患者で決めることが出来ると思うが、
リスクを考えて貴方自身で最終判断してもらいたい。
レントゲンは正面からの位置関係を撮影する
これ、管理人自身のレントゲン写真w 左右が反転しています。
右上だけは既に抜歯した段階のもの。
他3本は全て埋まっていて全く顔だしてません\(^0^)/
赤枠が親知らず、黄色い線が神経ですね。
歯根が微妙に接触して見えるでしょ?→後述するー。
レントゲンは、親知らずを抜歯する際はほぼ確実に撮るでしょう。
歯の位置関係を把握しないと抜歯しようがないですからね。
写真の見え方は、歯茎は写らず、歯の位置は写るので、
親知らずの2次元的なポジションが分かります。
親知らずなんて生えてないよー、と思っていても、実は歯茎の中に埋まっていることも?
そんな場合はレントゲン撮影するとすぐに分かります。
下顎親知らずが埋まっている→神経との接触の可能性?
このような生え方をする方の割合は比較的多い。
レントゲン写真だけ見ると、歯根と神経がややぶつかっているように見えます。
もし仮に、神経と接触していると…
親知らずを抜く際に歯根が神経を傷つけてしまう可能性があり、抜歯後に麻痺が残る可能性があります。
下顎の親知らず抜歯で特に注意しないといけないのは、この神経損傷を如何に防ぐかってことらしい。
ただし、あくまで正面から見たら写真であり、
単に重なって見えているだけかも知れない。
レントゲンの欠点は、親知らずの位置を3次元で把握は出来ない点。
↑の写真みると、下の親知らずは神経に少し触れています。
が、実際には触れているのではなく、表面から見て単に重なっているだけかもしれない。
この辺の情報がレントゲンだけでは分かりづらく、特に埋まってる親知らずの場合、奥行きが分かりにくいらしい。
それをはっきりさせるのが、次に記載するCTと言うものになります。
CTは3次元的に、あらゆる方面から観察
先ほどのように、レントゲン撮影をしてみて、
歯根部分と神経が触れていたり、交差しているように見えた場合、実際に神経とぶつかっているのか判りにくい。
そんな時にCT撮影でハッキリさせられる。
なんか、こんな風に見えたり。
CTは正面だけでなく、3次元的にあらゆる角度から撮影するため、360度上下左右、手前からでも奥からでも、色んな方向から親知らずの状態を観察できる。
↑の写真は真横から撮影したもので、実際には親知らず歯根と神経とは距離があったので、
抜歯はそこまで難しくないらしいです。
他の例、別の角度から見ると…
歯根がかなり曲がっている状態ですね。
正面からだと真っ直ぐに見えても実際は曲がっていることもある。
これは真っ直ぐ引っこ抜いても抜けないので、捻りを加えながら抜く必要があったり。
このように歯の形やポジションを把握しやすく、適切かつ迅速な抜歯がしやすくなる。
結果、安全に手術を終えられ、後遺症も出にくくなる、というものだ。
なお、レントゲンはほぼ全ての歯医者に設置されているが、
CTに関しては置いてない歯医者もある。
そこそこの規模の歯医者や、総合病院、大学病院なら間違いなく所持しているだろう。
初診時に医師にはこう話せ!
まあ、医師の方から提案してくれるので、そうそう迷うことが無いですが、
自分の身体のことなので、一応把握しておきましょう。
まずはレントゲン写真と撮ると思います。
それを総合病院の医師と一緒に、親知らず歯根と神経の位置関係を確認していきます。
これが接していたり、ぶつかっている時は、
レントゲン写真だけでは神経損傷のリスクが高いので、CT撮影も提案されると思います。
これは普通にお願いした方が良いでしょう。
一応CTを撮るかどうかは患者の判断になると思いますが、断った場合はリスクが高くなります。
また、それも説明された上で、手術誓約書にサインすることになるので、後遺症が出ても自己責任になりますからね。