親知らずの抜歯について、かかりつけの歯医者さんで相談していると、
「この親知らずの抜歯は、総合病院(or大学病院)の口腔外科を紹介しますね。」
と告げられることがある。
実際に親知らずは歯医者で抜いてもらうべきなのか?
歯科医の言うように総合病院で抜いてもらう方が良いのか?
ここでは判断基準と共に、
なぜ街の歯科医が総合病院への紹介を勧めるのか、その理由も書いています。
- 紹介となる大きな判断基準
- 親知らずが真っ直ぐに生えてきている
- 生えていても、横や斜め向きだと紹介になる
- 埋まっている場は紹介になる。
- 下顎で尚且つ歯根が神経に接近している場合は?
- なぜ総合病院・大学病院へ紹介したがるのか?
- 総合病院・大学病院だと、手術台で大掛かりにやられる?
- 紹介状について…
- 紹介状に有効期限てあるんですか?
- 紹介料っていくらくらい?
- 紹介状にはどういう内容が書かれている?
- まとめ
紹介となる大きな判断基準
行きつけの歯医者でも抜歯が出来るのか、総合病院・大学病院に紹介されるかの判断基準はこんな感じです。
親知らずが真っ直ぐに生えてきている
真っ直ぐ生えている場合の抜歯はとても簡単です。
寧ろ麻酔が効くまでの待ち時間の方がずっと長く、抜歯自体は数秒~1、2分程度で終わります。
基本的にテコの原理で歯を引っこ抜くだけで抜けてしまうので、
歯根がよっぽど複雑な形になってなければ、どの歯医者でも基本的に抜いて貰えます。
生えていても、横や斜め向きだと紹介になる
真っ直ぐの場合は、引っこ抜くだけで抜けるが、
これが斜めや横を向くと話は別。
テコの原理で引っ張り上げるだけでは抜けないので、基本的に歯をドリルで分割して取り出していく流れになります。
この辺は掛かりつけの歯医者で実施されている所は少なく、抜歯経験の豊富な医師へ紹介される。
埋まっている場は紹介になる。
親知らず自体が(部分的にor完全に)見えてないので、当然ながらそのまま引っこ抜くだけでは無理です。
この場合は歯茎をメスで切開し、骨が被っている場合はそれも一部砕いて除去することもあります。
こういう手術も、掛かりつけの歯医者ではそうそう行われておらず、経験豊富な医師へ紹介となる。
下顎で尚且つ歯根が神経に接近している場合は?
神経に接近していると、抜歯の際に歯根が神経を傷つけないように、慎重に抜歯する必要があります。
このように器用さが要求される抜歯も、総合病院・大学病院で専門とする医師へ紹介されます。
まあ、生えていれば距離的に神経からは離れていることが多いんですがね。
なぜ総合病院・大学病院へ紹介したがるのか?
総合病院へ紹介、なんて大層なこと言われると、
「そんなに難抜歯なのか?」とか、
「この歯科医は抜きたくないのか!?(或いは本当に抜けない医師なのか?)」
とか色々考えてしまうけど、
実はこれが妥当な判断であることが多いです。
これは、かかりつけの医師よりも、総合病院の口腔外科医の方が、親知らず抜歯の経験数が圧倒的に多く、
また、親知らず抜歯にしっかり対応した設備を備えているため。
親知らずの抜歯中は麻酔が効いてるので痛みはないんだけど、
抜歯中は口開けっ放しになるし、やっぱり口内に色々と器具突っ込まれる。
気分や体力面結構辛いので、慣れた医師の手早い手術で出来るだけ軽い負担で治療を受けてほしい。
そういう目的があります。
かかりつけの歯医者でも抜歯できる場合もある。
大まかな基準は、先述の通り、
歯が真っ直ぐ生えてきているか、歯茎に埋まっていないかどうか。辺りですかね?
真っ直ぐ生えてきている場合は、大抵どの歯医者でも抜いてもらえます。
だけど、斜め向いてたり、埋まってたりした場合は、
やはり「総合病院を紹介・・・」になる。
総合病院・大学病院だと、手術台で大掛かりにやられる?
総合病院や大学病院での手術って聞くと…
こんな感じの部屋で手術されるんか?
と思うと非常に不安だと思うんですが…
実際はこんな感じ。
いつも歯科治療してもらっている椅子型の治療台ですね。
ちなみに手術=手術室でやる?
って思うかもしれないけど、そうではないです。
あくまで手術とは、メス等の器具を使い、患部を切開したり、身体の一部を摘出する治療のことを言います。
親知らず抜歯のことを手術と言うのはこのためですね。
歯も身体の一部ですから。
紹介状について…
総合病院や大学病院へ紹介される場合には、紹介状という封書を診察後に受け取ります。
紹介先の病院へ電話等で予約し、当日に受付でこれを提出します。
この紹介状について、一応知っておいた方が良いことを書いておくよ。
紹介状に有効期限てあるんですか?
基本的にないです。
翌日でも良いし、ぶっちゃけ1年後とかでも大丈夫。
ただし、担当医師も指名付きの場合、
数年も経過すると、移籍や退職等によって在籍していない可能性もあるので早い方がいい。
あと、時間が経つと貴方自身が勇気を出せなくなってそのまま放置してしまうので、
抜歯しようと決心して早い段階の方が良いだろう。
また長い期間が経過すると症状が変わってくることもあるし。そうなると再検査の必要性も出てくるからね。
紹介料っていくらくらい?
これも保険治療の一種で、250点と定められています。
よって3割負担の方ですと750円かかります。
これを高いと見るか、安いと見るか?
総合病院や大学病院では、紹介状を持参していない場合、治療とは別に追加料金を請求する病院が増えてきています。
将来的には義務化になると思います。結構高いです。
詳しくはこちらに。
紹介状にはどういう内容が書かれている?
ひとつ注意したいのが、紹介状を開封したら無効になります。
当然と言えば当然か。
ではどういう内容が書かれているか。
- 患者の基本情報:名前とか生年月日、性別、住所など
- 患者の病名
- 依頼内容(親知らず抜歯の場合は「右下埋伏知歯の抜歯」とか書いてる。)
- 患者の現状:体調面や、治療の段階など
- 添付資料:レントゲン写真など→総合病院で再度撮る必要がなくなる。
まとめ
紹介となる大きな判断基準
親知らずが真っ直ぐ生えているかどうか?
下顎の場合、歯根が神経付近まで達していないか?
なぜ総合病院・大学病院へ紹介したがるのか?
できるだけ腕の良い医師に抜歯してもらい、負担を極力小さくすることが目的です。
総合病院。大学病院だと、手術台で大掛かりにやられる?
いつもの歯医者で寝転がる椅子型の治療台と一緒ですよ。
手術室なんて特別な部屋に行く訳でもなく、いつも通りの場所です。
紹介状に有効期限てあるんですか?
基本的にない。
ただ、医師を指名している場合は在籍している必要があるので、何年も経つと居なくなっているかも?
あとは貴方のモチベが失われる前に早めに決断しよう。
紹介を勧められた瞬間、なんかショックとか受けませんでしたか?
「そんなに難しい抜歯なのか??」と。
まあ埋伏知歯の場合、わりとよくある話らしいけど…
σ(・・)も歯医者で言われた。
だけど、マトモな歯科医の紹介というのは、
患者にかかる負担を出来るだけ小さくし、早く回復するための良き提案なんですよ。
あまり身構えずに、がっつり腕の良い医師に抜いてもらおう。