針を刺した瞬間に、チクッとするアレが大嫌い。
また麻酔液を注入するときのあのゾクゾク感、思い出すだけで鳥肌立つ!
恥ずかしいかもしれないが、大人でもこういう方はとても多い。子供の頃に受けたトラウマは大きいもんです。
麻酔が効いてきたら、抜歯中は痛みを感じないのだけど、
肝心の麻酔が痛いんじゃ本末転倒ではないか!?って思うかもしれない。
しかし最近の医療技術は素晴らしいもので、麻酔自体も出来るだけ痛みの少ないものへと進歩している。
麻酔針自体が極細だと痛みが少ない
人生の中で、一度は蚊に刺されたことがあるだろう。
憎きコイツ。
なぜ蚊に刺されても痛くないのか?と思ったことはありませんか?
恐らく何も感じないでしょう。っていうか気づいた時には痒くなり、「クッソーやられたか!!」って思う程である。
蚊が持っている吸血用の針は、毛先のようにトンデモなく細い。
更に言えば、針先がギザギザ構造になっており、ブッ刺すのではなく、震動によって皮膚に刺激を与えないように食いこませているだとか…
結果、人間には殆ど感知されずに刺すことが出来る。まったくひどい話である。
これを応用した、完全無痛の注射針の開発も、医療の世界では盛んにおこなわれているようだ。
単純には、麻酔針は細ければそれだけ痛みが小さくなる。
昔は針そのものが太かった。注射なので針は当然だが筒状になっているため、
昔の技術では針が折れたりすると大変なことになるので、それなりの太さがあったわけだ。
しかし最近は細い針でも、丈夫で、しかも薬を注入するのに問題ないくらいに技術が発達した。
これより昔に比べて、針を刺す時の痛みは小さくなったと言える。
麻酔液はゆっくり&定速注入だと痛くない?
麻酔針が細くなったことで、刺した時のチクっとする痛みは大分小さくなった。
で、痛くない麻酔をしてもらうには、更に大事なことがある。
それが、麻酔液を注入する速度である。
理想は出来るだけゆーーっくり、しかも同じ速度で注入すると、ほぼ無痛になる。
反対に、一気に入れようとすると、圧力の関係で、ズキズキと痛みを感じるわけだ。
上手い医師ほど、この辺の注入が上手い。
最近は、麻酔針自体がコンピュータで制御されている機器もある。
人間の注入では、完全に等速は不可能だが、コンピューター制御だとそれが可能になり、ほぼ無痛に近くなるのだ。
尤も、腕の良い医者は、コンピューターに頼らずとも痛みの小さい麻酔が出来たりするのだが…
麻酔液と針先を体温近くにしてある
麻酔の痛みを軽減するもう一つ大事なことは、針先と麻酔液を体温近くの状態で注入すること。
温度差が激しいと、身体に入った時に身体が敏感に感じてしまい、痛みを伴うことがある。
麻酔を行う直前まで、36℃くらいで保管しておき、そのまま麻酔すると痛みを最小限に抑えられる。
最近は麻酔直前まで体温状態に保つ機器も揃っているので、昔に比べて管理が楽になった。
表面麻酔とは?
更に、針を刺す時の刺激を小さくする方法として、表面麻酔と言うものがある。
これは麻酔針を刺す前に、予め歯茎表面に麻酔効果のある塗り薬のようなものを塗るのである。
歯茎表面を麻痺させることで、針を刺した瞬間のチクっとする痛覚を鈍らせることが出来ると言うもの。
表面麻酔は基本的に苦くて舐めると不快だが、ちょっとした味付きのものもあり、子供の抜歯時に行う麻酔にも使われたりしている。