親知らず抜歯方法として、全身麻酔を行う場合もある。
全身麻酔は、抜歯の難易度が極めて高い時や、何らかの事情で左右親知らずを同時に纏めて抜歯しなければならない時などに行われることがある。
総合病院、大学病院の口腔外科医は抜歯の経験数も多く、
大半の親知らず抜歯は、局所麻酔のみで抜歯することになる。
麻酔が効く待ち時間なども含め、おおよそ1時間以内くらいで終わることが多い。
しかし、中には高難度な抜歯もあって…
- 歯根が神経に強く絡み合っているとか、
- 歯根が大きく曲がっている、分裂している。
- とても深い位置に親知らずが存在する。
- 膿の除去も必要など…
このようなタイプ抜歯は、長時間かかることが予想されるため、全身麻酔を提案されることがあります。
症例としては本当に稀なケースだけど。
理由は、患者の体力面でしんどくなるから。
1時間くらいの抜歯なら、クチを開けていられても、
これが2時間、3時間となってくると、体力的にしんどいですからね。
抜歯中は負担は完全にゼロ
ええ。抜歯中は完全に無痛です。
なんせ全身麻酔は完全に意識がなくなる、いわゆる仮死状態なので、
抜歯中何をされているかは全く分かりません。
手術室に入る前に点滴の針を刺されたような…、とこの先は意識がもうろうとしてて・・・
気が付いたら「あれ?終わってた。」って感じらしいですね。経験者の話では。
本当に寝てたような感じらしいです。
これだけ聞くと、じゃあワシにも全身麻酔で頼む!
って言いたくなる人も居るでしょうが、なかなかそうはいかないです。
基本的に入院・事前の検査多数
全身麻酔の場合は初日に検査を行い、抜歯は翌日になることが多いです。
で、抜歯が終わったらすぐに退院できるとは限らない。
抜歯の難易度によっては2~3日経過観察のために入院となることもあります。
急に何か起きても直ぐに対応できる必要がある場合とかね。
また、実際に入院日がかなり先になることも多いです。長い場合数か月~半年とか。
医者も忙しいし、入院するための部屋も確保する必要があるため、有名な病院だとかなり待たされます。
とにかく事前検査が多い
全身麻酔を安全に行うためには、沢山の検査を受けないといけない。
一般採血、心電図、呼吸機能検査、胸部レントゲン検査あたりですね。
丸一日掛かると思います。これで手術に耐えられるかどうかを確認したり、病気が隠れていないかも診ます。
最近では検査日+抜歯日のみで、追加の入院が不要のことが多い、静脈内鎮静法という抜歯もある。
全身麻酔に比べると、比較的軽い負担で受けられ、そこまで高難度でない抜歯でも患者の希望が通りやすいです。
詳しくはリンク先に書いた。
費用は?保険適用される?
保険は適用されることが多いです。
ただし局所麻酔のみの抜歯に比べるとかなり高額になります。
事前検査と抜歯で大体3~5万円くらいは掛かると思った方が良い。
また抜歯後の入院も必要となると更に掛かります。大体10万近くは想定しておいた方が良いかもしれない。
これほどの金額になると、入院前に前金として請求されることが多くなります。
で、退院する時に追加で支払ったり、逆に返金があったりする模様。
手術だけ受けて、そのまま逃げられないようにするための措置ですね。
確かに抜歯は完全無痛だが、
それ以上に病院側も患者側も、結構抜歯以外の点で負担が大きすぎるので、
本当に必要な場合のみに行う術式だと思います。
最近は笑気麻酔もあまりやってないみたいだし…
結局は局所麻酔で乗り切らないといけないのか??
と思ってる方へ、次は静脈内鎮静法という麻酔方法を紹介する。
最近はこれが結構人気らしい。